台湾人のサイクリストである張修維（ジャン・ショウウェイ）さんは、勤めていたIT関連の仕事を離職後、世界中を冒険する日々を送り始め、すでに自転車で29か国を巡っています。しかし、様々な国を旅した張さんが最も美しいと感じたのは台湾でした。そのため、サイクリングの楽園とも呼べる台湾を世界中の人たちにも紹介し、実際に台湾に来てもらうべく、台湾の美しいサイクリングロードを動画で撮影するといった活動をしています。今回はそんな張さんのおすすめのサイクリングスポットを紹介して頂きました。

初級 距離: 10 km 平均勾配: < 4% 難易度: ★☆☆☆☆

河浜ルート：公館 → 台北動物園

ルート

公館水岸広場を出発し、景美河浜公園と道南河浜公園を通って台北動物園を目指す

初心者や景観の美しいリバーサイドをのんびりサイクリングしたい方におすすめのルートです。

このコースは比較的簡単に挑戦ができる上に、吹き抜ける風が心地よく道も平坦であることから人気があります。心地よいリバーサイドパークを通り抜け、新鮮な春の空気を感じながら台北動物園を目指します。台北動物園はアジアの中でも規模の大きい動物園で、アジア地域、アフリカ、オーストラリアに生息する動物や中国から寄贈されたジャイアントパンダなどを飼育しています。難易度は高くないので、気楽な服装でサイクリングを楽しみましょう。

上級 距離: 12.5 km (上り坂5.3km) 平均勾配: 6% 難易度: ★★★☆☆

猫空

ルート

国立政治大学からロープウェイ猫空駅を経由するコース

このコースは経験者向けで、国立政治大学から猫空（マオコン）を目指し、1周して政治大学へと戻ってきます。最大の難所は橋の直前にある6％以上の傾斜です。政治大学を出発する前に、水を用意するなど準備を整えておきましょう。大学を出発したら指南路三段を通過し、草湳橋（ツァオナンチャオ）を右折します。

橋を越えてしまえば残りのルートは簡単です。道なりに進むと鉄観音茶と包種茶（バオジョンチャー）を紹介する台北市鉄観音包種茶研究開発推進センターが見えてきます。その後、ロープウェイの猫空駅を通過したら、指南路三段38巷の通りを進んで指南小学校を目指します。学校まで来ると往路にぶつかるので、後は政治大学方面へと戻っていきます。

✍ ひとくちメモ

昔の猫空は台北最大のお茶の栽培地域でした。今でもお茶の栽培は続いていますが、どちらかといえばお茶の郷土資料館のような場所として有名です。サイクリングの練習としてこのルートを走る場合も、ただ走破して終わりでは面白みがありません。少し休憩をとってお茶を楽しみ、この地について理解を深めてみてはいかがでしょうか。政治大学指南小学校貓空駅草湳橋お茶推進センター政治大学政治大学草湳橋高度距離お茶推進センター指南小学校貓空駅

プロ級 距離: 22.4 km (上り坂<15.3km) 平均勾配: 6〜10％ 難易度: ★★★★★

風中剣ルート： 風櫃嘴

ルート

剣南路から中社路を経由して風櫃嘴を目指す

このコースには3つのルートがあります。

最初の剣南路はウォーミングアップレベルなので非常に簡単です。まずは地下鉄の剣南路駅から至善路二段を目指します。距離は約5.2kmで、勾配は4%ほどです。途中にある湧泉寺は国立故宮博物院を上から眺められるので、休憩がてら立ち寄ってみましょう。この後が大変になるので至善路では少し休憩を挟みながら進んでいきます。

至善路二段を進むと右側に中社路があるので、右折して外双渓橋（ワイシュアンシーチャオ）を越えます。ここからは道路脇に自転車道が設置されています。中社路一段は坂道になっていて8％の勾配が1.7kmほど続くので、途中にある双渓小学校付近で休憩を取りましょう。そこから翠山登山道を目指して進み、入り口に到着したら中社路のルートは走破となります。その後、至善路まで引き返す必要があるので、復路では厳しいルートを走り抜けた自身を誇りながら最後のルートへ挑むための準備を整えましょう。

至善路まで戻ったら最後のルートとなる至善路三段の方向へ進みます。楓林橋を超えると勾配が8〜10％、場所によってはそれ以上の傾斜のきつい坂道が続くので、そこまでの道中で水などを補給しておくのが懸命です。楓林橋が見えたら右折して橋を越えたら、ひたすら坂道を上ってゴールの風櫃嘴展望台を目指しましょう。また、途中で一望できる陽明山（ヤンミンシャン）国家公園の絶景は、疲労しきった心身を癒やしてくれるので必見です。

✍ ひとくちメモ

風櫃嘴ルートには風中剣（フォンジョンジエン）という別称があります。風中剣とは風櫃嘴、中社路、剣南路という今回紹介した3つのルートの頭文字を組み合わせて出来た名称です。このルートに挑む人は、強風に立ち向かう一振りの剣のような様に見えることからも、適した名称となっています。

春の台湾をサイクリングする上で必要な情報

天気：

台湾の春の平均気温はサイクリングに最適な20 〜25℃程度です。五月下旬からは梅雨入りのシーズンになるのでご注意ください。

用意すべきもの：

水は非常に重要です。また安全が第一なので、ヘルメットとサングラスも用意しましょう。

自転車：

マイ自転車を持ってきていない場合は、Mathewbike とFroging Touring Bike という2 つのお店がおすすめです。自転車の販売、レンタル、修理、メンテナンスができるだけでなく、サイクリングに必要なものが全て揃います。

Mathewbike は台北北部にあるので風櫃嘴に挑戦する際に、Froging Touring Bike は台北南部にあるので猫空へ挑む際に便利です。リバーサイドをゆっくりと走る場合はレンタルサイクルのYouBikeを利用しましょう。

台湾旅行中にサイクリングを考えている方で、相談したいことなどがあれば、お気軽に張修維までご連絡ください。

お店情報

Mathewbike ( 馬修單車)

士林区文林路577 号

https://mathewbike.com/

Froging Touring Bike ( 蛙不停自行車)

文山区羅斯福路六段320 号

http://www.froging.net/

Cycling with ShoSho

https://shosho.tw/en/