文/ Nathan Ray
編集/ 下山敬之
写真/ Myles Tan、台北自来水園区、台北市立動物園、台北市立児童新楽園、April Chen、Daria Lin、劉佳雯
台北は公共交通機関が整備されていて、安全性も高いことから非常に暮らしやすい都市です。また、散策にぴったりの野外スポットも豊富で、徒歩10 分程度の距離に公園があったり、市内の見晴らしの良い山でハイキングも楽しめます。他にも数キロに渡る川沿いのサイクリングコースや手入れの行き届いた公共スペースなどもあるのでお子様連れの旅行にも最適です。台北には数日滞在した程度では遊びきれないほどたくさんの観光スポットがあり、お子さんとお出かけする際にも困ることはありません。今回は今年の夏にご家族で楽しめる台北のおすすめスポットを5 つ紹介していきます。
台北自来水園区
中正区思源街1号
waterparken.water.gov.taipei
夏の台北の気候は非常に過酷で、屋外は気温が非常に高いのでエアコンの効いた室内にこもる人も少なくありません。しかし、台北ウォーターパークであればプールでひと泳ぎして夏の暑さを忘れられますし、巨大ウォータースライダーで楽しむこともできます。
台北ウォーターパークは、MRT公館駅と公館商業地区のすぐ近くにあり、大型プールにウォータースライダー、遊具などを備えています。また、付近は公館水岸広場のサイクリングコースもあるのでご家族揃って1日中遊べる場所となっています。
また、ここは他の遊泳施設と異なり、敷地内に博物館があります。自来水博物館というこの施設は1908年に建てられたバロック様式の建物内にあり、以前は新店渓から流れる水を集める取水施設として12万人の市民に飲料水を供給する浄水場でした。100年以上前は近代的な台北の給水システムを象徴する施設でしたが、現在では水道水の水質管理に関する情報を提供する博物館となっています。当時使用されていた設備の多くがそのまま残されているので、お子さんの学習も兼ねて足を運んでみてください。
台北市立動物園
文山区新光路二段30 号
english.zoo.gov.taipei
台北市立動物園は1914 年に設立された歴史のある施設で、1 世紀以上にわたり台北の顔として存在し続けています。もともとは北部にある円山公園内にありましたが、1987 年に現在の木柵へ移転しました。ここはMRT 文湖線の下り線終着駅に位置しているのでアクセスも非常に便利です。入場料は大人NT$60、子供NT$30 と安価で、家族揃って一日中楽しめます。台北市立動物園では世界中の動物が飼育されているので、動物について学ぶには最適な場所です。人気のある動物の多くは台湾動物エリアにいて、ここでは台湾固有の動物が飼育されています。例えばさまざまな種類のシカやウンピョウ、タイワンザル、センザンコウ、ベンガルヤマネコ、捕獲の難しいタイワンツキノワグマなどで、その多くが保護を必要とする希少種や絶滅危惧種です。特にタイワンツキノワグマは非公式ですが近年になって台湾のマスコットとなるほど注目されています。もちろん台湾固有種だけでなく外来種や国内種についても学ぶことができますし、子ども動物エリアではアルパカ、ラマ、ミニチュアホースなどの家畜化された動物との触れ合いも可能です。また、オーストラリア動物エリアでは代表的なカンガルーが飼育されていますし、アフリカ動物エリアではシマウマやキリン、サイ、ゾウ、ゴリラ、百獣の王ライオンなどの有名なアフリカ生まれの動物を見ることができます。
台北市立児童新楽園
士林区承德路五段55号
english.tcap.taipei
台北市士林区にある台北市立児童新楽園は、親子で一日中楽しめる最高のスポットです。基本的には子供向けの遊園地ですが、親御さんも一緒に楽しめるアトラクションが備わっています。観覧車、ジェットコースター、バイキング、巨大滑り台など定番のアトラクションは一通り揃っていますし、園内にはメジャーなファーストフードやレストランなどの飲食施設、他にも大道芸人のパフォーマンスやIFKIDSシアターカンパニーという劇団の専用劇場も備えているので、1日中遊んでも飽きることはありません。
入場料はというと基本入場券が大人NT$30、7~12歳のお子さんがNT$15と非常に安価で、各アトラクションには別途NT$20~80の乗り物券が必要です。また、NT$200で1日乗り放題のワンデーパスも購入できるので、他の遊園地と比べてもコストパフォーマンスが非常に高くなっています。各種お支払いには現金だけでなく、支払いが簡単な悠遊カードも利用可能なので、子供用の悠遊カードに予め必要な金額をチャージしておけば、予算内で遊ばせることもできます。
山水緑生態公園
南港区南深路37 号
山水緑生態公園はかつて台北市東部の南港地区にあった山豬窟垃圾衛生掩埋場というゴミの埋め立て地でした。2003 年に埋め立て地の改造計画が始まり、2011 年の埋立地閉鎖に合わせて1,700 本以上の木が植えられると、その直後から21 ヘクタールの広大な森林地帯に野生生物が戻り始めました。
ここにある様々な施設や設備は、かつて使用されていたゴミ処理場の設備や残っていたゴミを再利用して作られています。例えばリサイクル工場だった建物はそのままビジターセンターへ生まれ変わり、ゴミ収集車の洗車台はカフェ、数十万本のアルミ缶はアート作品、古い電柱は展望台の支柱へと姿を変えました。
この公園ではゆったりとした日光浴ができますし、無料でサイクリングや滑車とワイヤーロープで滑り降りるジップラインや砂場などもあるので、子供たちも飽きずに遊び尽くすことができます。むしろ長居してしまう可能性が高いので、レジャーシートとお弁当の用意をしておきましょう。
公園の名前にもなっている山水緑とは唐代の詩人、柳宗元の詩「漁翁」に由来していて、園内には柳宗元の記念碑も建立されています。この公園は若い世代の豊かな発想を育み、より良い未来へと歩むことを願って作られた場所とも言えるので、ぜひお子さんを連れてお出かけしてみましょう。
新新公園
南港区南港路三段109巷南側
台北市東部に位置する南港の新新公園は2020年頭から一般公開された施設です。南港地区は台北と東側の隣接都市である基隆と宜蘭間の交通の要所であり、この公園は近い将来ヒートアイランド現象によって都市部に集中した熱を分散させ、より住みやすい街にしてくれることが期待されています。
絵画のように美しいこの湿地公園は水上に木製の歩道が設置され、遠方には巨大な台北101と台北市街地の街並みを望むことができます。夕暮れ時にはこうした景色を背に写真撮影をするのも一つの楽しみ方です。また、丘の上にある2本の滑り台とミニチュアサイズのクライミングウォールはこの公園最大の特徴とも言えます。他にも誰もが楽しめるジップラインなどの遊具も揃っているので、スリルを味わいたいお子さんや親御さんには最適なアトラクションです。当然、公園内の設備はすべて新品で、トイレも遊び場の近くに設置されています。
新新公園はMRT昆陽駅のすぐ近くとアクセスがいいので、家族でピクニックに行くには最適のスポットです。台北には数多くの公園がありますが、新新公園はアトラクションが楽しめる新しい選択肢の一つなので、ぜひこちらにも足を運んでみてください。
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