写真 / Pitua Sutanto、高讚賢、Taiwan Scene、Supasit Chantranon、Suriya Desatit、台北市観光伝播局、GoranQ

2020年は例外的な1年でしたが、平時の台北は何百万人もの観光客が訪れるとても人気の高い都市です。観光業が順調というのは地元経済にとっては喜ばしいことですが、多くの人が訪れることは長期的に見ると環境問題などのデメリットも内包しています。

そのため自然や文化的環境に影響を与えない長期的な視点で捉えたサスティナビリティ(持続可能性)が、観光業にも求められています。楽しいサスティナブルな旅を実現するには、地 域の産業や経済への配慮、生態系や自然環境への影響の認識、そして環境に配慮され節度を守った旅行計画という3つの要素が大切です。

サスティナブルな旅を実現するために

ローカルの食事を楽しむ

大型飲食チェーン店などを避け、ローカルなお店で食事を楽しみましょう。台北には、何世代も続く家族経営の食堂が数多くあります。そうした 魅力的なお店で食事をすると、地域の素材も楽しめますし、さらには地域の活性化にもつながります。

特に夜市(ナイトマーケット)に並ぶ屋台は、長年に渡り一つの料理を追求し続けたからこそ生まれた素晴らしい味があります。

また、サスティナビリティを考慮するのであれば、マイ箸やマイストローの用意も忘れにしましょう。台北のお店はその大半がプラスチックストローの提供や使い捨て食器使用をしていないので、来店する際は注意が必要です。

ローカル商品を買う

地域の特産品を買うことはローカル事業の支援に繋がります。西門町(シーメンディン)へ足を運ぶとH&Mやadidasなど著名なブランドショップが目に入りますが、あえてそういった有名店を避け、小さなブティックを訪れてみるのはいかがでしょうか?きっと他では見つけることのできない掘り出し物に巡り合う機会が訪れます。また、ツアーやチケットの申し込みをする際はローカルの旅行代理店を利用しましょう。現地に精通しているからこその特別な旅行プランを取り扱っています。

エコな旅

宿泊場所を検討する際は、台北市政府認定の「エコホテル」を参考にしてください。これらのホテルは、歯ブラシやカミソリなどのアメニティの提供、滞在中のシーツやタオルの交換を必要としない宿泊者に最適です。そうしたサービスが不要な方向けのお得なプランや特別なプレゼントが用意されています。

公共交通機関の利用

公共交通機関の利用は便利なだけでなく、環境に優しいという利点があります。台北は地下鉄(MRT)網が広範囲に伸びていますし、ローカルタクシーと組み合わせれば安価に市内のあちこちを周ることができます。また、市内中心部は坂道もほとんどないので徒歩でも十分ですが、公共の自転車レンタルシステムのYouBikeを利用すれば、より快適な旅となるでしょう。

サスティナブルな台北3日間旅行

01. 四獣山ハイキング

台北で自然に触れるのであればハイキングがおすすめです。四獣山とは虎山、豹山、獅山、 象山の4つからなる山の総称です。

ルートは松山慈惠堂 (ソンシャンツーホイタン) 近くのMRT後山埤(ホウシャンピー)駅から徒歩で15分ほど歩き、虎山の歩道入口 から信義区にある象山へと続いています。一般的な速度であればおよそ4‐5時間で到着するコースです。四獣山は台北中心地からのアクセ スも良いですし、ハイキングの途中で台北の街並みも楽しめます。

食事

浩克健身早餐 (ハオクージエンシェンザオツァン)

浩克健身早餐は野菜たっぷりのサンドイッチ専門店ですが、タンパク質とエネルギー補給に最適なメニューもあるのでハイキングにはピッタリです。また、水分補給は大切なので、飲料水は必ず携帯しましょう。

- 大安区延吉街153之3号

ショッピング

山也行 (シャンイェシン)

再利用可能で環境に優しいハイキング用品 などのアウトドアグッズを揃えるなら山也 行がおすすめです。

- 信義区松寿路11号5階

宿泊

エコフレンドリーな宿泊先に泊まるならリーズナブルな城市商旅南東館がおすすめです。使い捨てのアメニティや毎日のベッドメイキングが 不要という方に最適なホテルです。

- 城市商旅南東館 松山区南京東路五段411号

02. 自転車に乗って ローカル文化体験

旅行に慣れている人はローカル文化を学び、その独自の慣習に敬意を払います。台北で文化的な背景について学ぶならいくつかおすすめのスポットがありますが、移動手段は自転車がおすすめです。台北市内には自転車専用道があるので、安全に各スポットが回れます。まず1つ目はMRT公館(ゴングァン)駅の近くにある宝蔵巌(バオザンイェン)です。ここは、かつては軍人が使用していた村であり、現在では多数のアートスペースや展示場として再生されています。取り壊し寸前の集落から、多数のアーティストが世界中から集まる芸術村として生まれ変わり、1970年代から続く歴史を後世に残しています。

宝蔵巌からは川沿いのサイクリングロードを通って龍山河浜公園へと向かい、西門町へ行きます。ここは最新の文化発信地であり、台北のLGBTQ文化のホームとなっています。西門からは再び川辺の景色を楽しみながら延平河浜公園を経由して、台北随一の歴史的地区として発展を遂げてきた大稲埕(ダーダーチェン)へ向かいましょう。

食事

小小蔬房 (シャオシャオスーファン)

小小蔬房は地元農家から届けられた新鮮素材が味わえるヴィーガンレストランで、サイクリングの小休止に最適です。

- 万華区漢口街二段125号

ショッピング

聯藝埕(リエンイーチェン)

大稲埕にある聯藝埕は、台北独自のオリジナルブランドの製品を集めたセレクトショップです。

- 大同区迪化街一段195号

宿泊

万華や大稲埕エリアには多くのエコホテルがあります。その中でもおすすめは使い捨 てアメニティが不要な方にささやかな贈呈品が送られる大稲埕の北門窩泊旅か、宿泊期間中のベッドメイキングが不要な方に特別プランを用意している万華の凱達大飯店です。

- 北門窩泊旅 大同区太原路92巷2-1号

- 凱達大飯店 萬華区艋舺大道167号

03. 台北の温室効果ガス削減スポット3選

温室効果ガスの排出量をカーボンフットプリントと言いますが、台北には環境問題を考慮して温室効果ガス対策をしている観光名所があります。その1つが台北三大寺に数えられる龍山寺(ロンシャンスー)です。伝統的な民芸品に囲まれた祭壇には十柱の神が祭られています が、ここではお香を焚かないことで空気汚染を抑えています。

次は世界一エコな高層ビルの台北101。信義区のランドマークであり、現在世界一の高層ビルに登録されているこのビルは、省エネ性能が高いエコなビルという側面も持っています。具体的には館内設備を見直したことで、毎年995メトリックトンのCO2削減効果を生み出しています。

最後は陽明山(ヤンミンシャン)の麓にある天然温泉、北投区(ベイトウチュー)の地熱谷です。地熱谷は別称を地獄谷とも呼び、この地域の硫黄温泉の水源となっている他、近くにはエコな建築で有名な台北市立図書館北投分館もあります。

台北のMRTなら、これらの名所へも簡単にアクセスができるので快適に見学できます。ブルーラインの路線へ乗れば龍山寺へ、レッドラインなら台北101、MRT北投駅で乗り換えてMRT新北投駅まで行くと地熱谷があります。

食事

DELI DAY

DELI DAY はサラダやスープ、シチューなど、栄養バランスの整ったメニューが楽しめるテイクアウト専門のお店です。近くにある象山公園で台北101を見物しながら食事を楽しみましょう。

ショッピング

三時生活実験室 (サンシューションフォシューイェンシュー)

三時生活実験室はフェアトレードのコーヒー豆、手作りの天然石鹸、地元産の茶葉などを取りそろえているお店です。マイバックを持ってサスティナブルなショッピングを楽しんでください。

- 中山区錦州街106号

宿泊

北投区でエコホテルを探すなら途中台北國際 青年旅舍がおすすめです。個室温泉を楽しみたい方は北投俩人旅店を検討してみましょう。

- 途中・台北国際青年旅舍 北投区光明路82号

- 北投俩人旅店 北投区幽雅路11号