【文:Louis Zhang、Hsuan Yin Zhang】
【編集:下山敬之】
【写真:台北市立動物園、Wayne Wang、Kerstin Hsu、指南宮、Valerie Hung、 台北市工務局大地工程處、台北市観光伝播局】
台北市文山区にある猫空、猫空ロープウェイ、台北市立動物園の猫熊(パンダ)は「三猫(サンマオ)」と呼ばれる観光エリアです。いずれのスポットも観光の促進や地域の活性化を図る上で重要な役割を果たしています。
猫空は、台北郊外に広がる静かで穏やかな山岳地帯に位置しています。ここは茶畑と魅力的な茶藝館が有名で、さまざまな種類のお茶だけでなく、美味しい料理も楽しむことができます。また、ティーソムリエと呼ばれるお茶の専門家が、お茶に関する興味深い話をしてくれたり、お茶の視覚的な魅力や香り、味わいを楽しむためのアドバイスをしてくれます。他にもお茶の淹れ方を学ぶなど体験型のアクティビティもあり、多くの外国人観光客に驚きと楽しみを与えています。
今日の猫空は台湾の豊かな茶文化を象徴する地域です。また、絵に書いたような美しい登山道や有名な木柵鉄観音茶を楽しめることから、地元の人々や旅行者を魅了しています。
山の麓にある台北市立動物園は、 100年以上にわたる歴史を持つ施設です。ここでは、タイワンツキノワグマ、タイワンキョン、サンケイなど魅力的な動物が数多く飼育されています。これらの生物はいずれも台湾固有種であり、保護すべき貴重な動物たちです。他にも動物園のマスコットとも言える愛らしいパンダたちも忘れてはいけません。彼らの人気は非常に高く、多くの来園者を引き付ける動物園のスター的存在となっています。
猫空は台北市を一望できる美しいパノラマが楽しめるほか、青々とした木々の静寂の中で心身をリラックスさせる、種類豊富なお茶を味わいながら魅力的なお茶文化を探求する、広大な動物園で多様な動物種の生息地や生活様式について深い洞察を得るなどユニークな体験にあふれています。郊外で1日を過ごすのであれば、三猫エリアへのプチ旅行は最適な選択肢と言えるでしょう。
ロープウェイが結ぶ動物園、指南宮、猫空
猫空ロープウェイは三猫エリアへの旅行に欠かせません。悠遊カード(EasyCard)を使って乗車ができますし、夜まで運行しています(平日:午前9時~午後9時、土日祝日:午前9時~午後10時)。そのため、日帰りであっても柔軟なプランニングができます。例えば午前中は動物園を探索し、お昼はお茶の味があるランチにし、午後からは猫空に向かって登山道を散歩します。夕方は、お茶を味わったり芸術的なパフォーマンスを楽しむのに最適な時間です。夜になったら星空に包まれた台北の夜景を眺めながらロープウェイで山を下ります。
日中、ロープウェイに乗る際には、茶畑の壮大な風景とお茶農家たちが作業をする姿を目に焼き付けましょう。実際にその目で作業の様子を見ることで、お茶を味わう時の風味がさらに豊かになります。途中、指南宮という駅を経由するので、こちらもぜひ参拝してみてください。寺院には道教、儒教、仏教の神様が祀られているので、平穏を祈ることができます。民間伝承によれば、主神であり八仙の一人でもある呂洞賓(りょどうひん)が、もう一人の八仙である何仙姑(かせんこ)に恋をするも叶わず、以来カップルが訪れると嫉妬から別れさせてしまうという話が広まり、恋人との参拝には適していないと言われています。もちろん、信じるかどうかは人それぞれですが、こうしたストーリーが指南宮に神秘的な側面を与えています。
「三猫プロジェクト」による観光コンテンツの強化
台北市政府は、国内外の観光客が猫空をより深く理解し、地元の文化に触れやすくなるよう「三猫プロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトは、猫空エリア全体を観光向けに整備し、テーマに合わせた旅行ができるよう推進していくことを目的としています。この他にも、指南宮や木柵忠順廟、国際的に評価される演劇団体の優人神鼓や表演36房といった「三猫」パートナーと連携し、イベントを開催することで地域の発展に力を入れています。
昨年には、「三猫プロジェクト2[「0」がスタートし、猫空の設備がアップデートされました。例えば、ロープウェイ沿いの環境の整備や巨大な吊橋の設置などです。また、旅行者に対するサービス面でも、ロープウェイの駅にQRコードを設置し、一度スキャンするだけで周辺の観光スポットの情報が得られるなど、より快適な旅行ができるようになりました。
思い出に残る様々なイベント
三猫プロジェクト」は、猫空の観光資源を組み合わせることで、旅行をよりフレキシブルに、より目的に沿って楽しむことが可能になっています。例えば、エコロジーに関しては、動物園で三猫エリアの固有種や保護動物について学び、生態系の保護に関する知識を深める事ができます。また、花見に関しては、6月に猫空の樟樹賛道を歩くと一面に咲くコスモスを鑑賞する事ができ、ロマンチックな夏の日が過ごせます。「三猫プロジェクト」以外にも台北市政府は地域の特色、自然資源、文化、歴史を統合した「静かな猫空を行く(走靜猫空)」というイベントを企画しています。このイベントは「台北猫空茶会」や「動物夏夏叫」などそれぞれのテーマに合わせて、猫空の緑豊かな山々、お茶の香り、動物園などを紹介し、三猫エリアが気軽に訪れられるスポットになるよう促進しています。