台北でボヘミアン風の文学青年気分を味わいたいなら、南区がおすすめです。MRT 古亭駅か4 号中和新蘆線の新北市近くで文学青年の一日を送ってみましょう。
午前8 時、MRT 台電大楼駅近くの浦城街にあるカフェ「日楞咖啡」で朝食をとります。文学青年は宵っ張りの朝寝坊だなんて思わないでください。「日楞咖啡」は朝早くに開店。台湾農家が生産した食材を用い、メニューや壁の黒板の文字はすべて手書きです。料理が来るのに少し時間はかかりますが(気長にお待ちください)、卵料理やパン、サラダはどれも美味です。
朝食後は、羅斯福路を渡って汀州路を散歩しつつ、同安街の「紀州庵文学森林」を訪れてみてはいかがでしょうか。日本統治時代に建設された古い建築物が残っており、文芸関連の座談会がよく催されています。その建築や周囲の雰囲気など楽しむためにも、昼間に訪れることをおすすめします。
つづいて師大路まで戻り、龍泉街の「旧香居」へ。文学や歴史、芸術系の本が揃う古本屋で、掘り出し物が見つかるかも。本の陳列や店内のレイアウトに店主のこだわりが感じられ、芸術や文化を愛する文学青年なら、きっとお気に入りの本に出会えるはずです。店の前にはフルーツの屋台も並んでいるので、ついでに買ってみては?
次は公館近くの羅斯福路3 段に移動し、台電大楼の向かい側の地下にある「政大書城」へ。オンライン書店が便利になった今も、本好きな人たちは「政大書城」に通っています。価格もオンライン書店に負けていません。本はカテゴリー別ではなく、出版社別に陳列されているので、出版関係者が本を探す際に便利です(私たち出版業界の人間は出版社によって本を探します)。
本屋めぐりの後、カフェでひと休みするなら、羅斯福路3 段の路地裏の「微光咖啡」がおすすめ。最近のカフェの中では、90 年代に文学青年が好んだカフェ「挪威森林」の雰囲気を最も色濃く残しています。コーヒーを味わうだけでなく、店内に置かれた蔵書をじっくり読むのもいいですね。路地を数本隔てたところにある「永楽座」は、新刊も古本も揃っていて、時々座談会も行われる場所、ぜひ足をのばしてみて。
台湾大学正門前の誠品書店もぜひ行きたい本屋です。「誠品台大店」は、台北市内の誠品書店のなかでもひときわ個性的。蔵書数が一番多いのは本店の信義店、人気があるのはやはり敦南店ですが、台大店は大学のそばにあるので、学生向けのコーナーや専門書のおすすめコーナーがあり、ディスプレイも工夫が凝らされています。毎月のおすすめの新刊も、チョイスや陳列方法が敦南店や信義店とは一味違います。また、同じビルの4 階には「若水堂簡体書店」があります。最近の中国の出版事情を知りたければこちら。入荷が早いのが特徴で、マイナーな本や専門書の簡体字の本も取り扱っています。欧米のロックアーティストの伝記や歌詞集なども人気です。
誠品と若水堂を見て回ったら、羅斯福路3 段を渡ってカフェ「海辺的卡夫卡」で一息つきましょう。ここは村上春樹の小説『海辺のカフカ』を店名にしたカフェです。同じビルの地下にある「河岸留言」ではよくライブが行われています。さらに路地を歩くと、古本で有名な「茉莉書店」がありますが、ここではCDやDVDを専門に扱っています。中国語や台湾語のヒット曲、欧米やアジアのアーティストやクラッシックのCD、映画や舞台のDVDなど豊富な品揃えです。店を出て公館方面に向かうと、ファッションのお店がたくさん集まる路地に「茉莉書店台大店」があります。居心地のいい空間に、たくさんの本が並びます。雑誌のバックナンバーも置かれており、アメリカや日本の雑誌も揃っていることに驚きます。
夜にライブを楽しみたければ、公館にある「_e Wall」で台湾内外のバンドのライブが頻繁に行われています。事前にチケットを購入した方が安心です。ライブ後に何か食べたければ、朝に訪れた「日楞咖啡」近くの公園へ。一夜干しが有名な屋台があり、多くの文化人たちが足を運んでいます。街歩きに最適な台北の南区をぜひ堪能してください。
インフォメーション
日楞咖啡 浦城街24-1 号
紀州庵文学森林 同安街107 号
旧香居 龍泉街81 号
政大書城 羅斯福路3 段301 号B1
微光咖啡 羅斯福路3 段269 巷9 号
永楽座 羅斯福路3 段283 巷21弄6 号1F
誠品台大店 新生南路3 段98 号
若水堂簡体書店 新生南路3 段98 号4F
海辺的卡夫卡 羅斯福路3 段244 巷2 号2F
茉莉書店影音館 羅斯福路3 段244 巷10 弄17 号
茉莉書店台大店 羅斯福路4 段40 巷2 号1F
The Wall 羅斯福路4 段200 号B1