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2017/04/13 第187期 訂閱/退訂看歷史報份TAEPEI
女子重量挙げ・許淑浄選手
 
 
女子重量挙げ・許淑浄選手
頭脳戦術で奇跡の五輪連覇

女子重量挙げ・許淑浄選手

文/Taipei


雲林県崙背郷出身の許淑浄選手は、許家にとって過去3世代唯一の女の子で、かつ決して裕福とはいえない家庭環境に生まれました。それでも両親は彼女を宝物のように可愛がり、小さな頃はレースのチュールスカートに真っ白なタイツを履いていたこともあるそうです。しかし、重量挙げのトレーニングに取り組むようになってから、長い間力を込め続けたせいで彼女はがっしりと太い首、広い肩幅、低い声へと変化。両手も皮が破れてボロボロになってしまいました。一生に一度の青春時代、普通の女の子としての生活を捨て、バーベルを挙げたり下ろしたりの単調なトレーニングに捧げました。


コーチと二人三脚で

勝ち取った金メダル

2012年のロンドン五輪、許淑浄選手は台湾代表として出場しましたが、惜しくも銀メダルに終わりました。しかし、2016年のリオデジャネイロ五輪開幕3週間前、国際ウエイトリフティング連盟(IWF)は、薬物違反によりロンドン五輪優勝者から金メダルを剥奪すると発表。これにより、許選手の繰り上げ金メダル獲得が決まりました。本来ならこれは「遅れて届いた吉報」となるはずでした。しかし、リオ五輪を直前に控えた許選手にとってはさらに重いプレッシャーがのしかかる結果となりました。そして彼女はより激しいトレーニングを自らに課したあげく、右大腿部裏側の筋肉に深刻な故障を負い、35キログラムの重量すら挙げることができない状態に陥ります。自分の置かれた状況に「これでメダル獲得の可能性はなくなった」と悲観した許選手でしたが、蔡温義コーチが試合中、対戦相手の状態をじっくりと観察して打ち出した臨機応変な戦術が功を奏し、みごと奇跡の五輪連覇を果たしました。

雲林へ帰省する春節(旧正月)休暇の数日を除き、許選手は常にトレーニングを欠かしません。高雄市左営区の国家スポーツトレーニングセンターでほぼ毎日、蔡コーチと一緒に過ごし、日々の生活の中に練習が溶け込んでいます。第二の父親ともいうべき存在の蔡コーチに全幅の信頼を寄せ、二人の息もぴったりです。このため練習中、許選手にさらに負荷を加えるべきか、既に限界を超えていると見るか、その判断は全て蔡コーチの裁量に委ねられています。

試合で100キロ超のバーベルを持ち上げる瞬間、許選手は一体何を考えているのでしょうか?これについて本人は「一旦、試合に入れば何も考えません。頭の中を空にし、相手選手がどれほどの重さを持ち上げられるかといったことも気に留めず、ただ練習の成果を発揮することに集中します。コーチを信じ、自分を信じる。重要なのはそれだけです」と語ります。トレーニングがある程度進めば、記録の伸び悩みや、相次ぐ故障といった行き詰まり感に直面します。そんな時、自分に厳しい彼女はこれじゃダメだと落ち込むそうですが、蔡コーチがいつも、彼女が焦らないように、なかなかいいじゃないかと励ましてくれるおかげで、これまで一度も重量挙げをやめようと思ったことはないといいます。


金メダルの力で社会貢献を

金メダルを獲得した後、許選手が最初にしたいと思ったのは家族と過ごすことでした。大切な一人娘が重量挙げをやると言い出した当初は反対した彼女の両親ですが、この競技を強く愛し、次第に好成績を挙げるようになっていく我が子の姿を目の当たりにした結果、今では最も熱烈なファンへと変わり、国内で開かれる試合にはほぼ全て足を運んでいます。さらに最近ではスマートフォンの使い方を覚え、LINEやFacebookを通じて娘に声援を送っているそうです。

長く努力を続け、金メダルを取ったことでやっとみんなに自分を知ってもらうことができたと許選手は語ります。また金メダル獲得は彼女に経済状態の改善という現実的な効果をもたらしたほか、社会の関心を集めたことでより多くのファンやスポンサーから支援を受けるようにもなりました。ただ道を歩く時も気を使わなければならないほど生活が一変しました。以前であれば、外を歩いたところで他人の注意を引くことはありませんでしたが、今や彼女の一挙一動に大きな注目が集まり、少し窮屈な気分を感じているようです。それでも彼女は「やっぱりうれしいです。注目されれば良い意味での影響力も持つことができますから。小さいながらも影響力を発揮し、社会やスポーツ界に恩返しをしたい。オリンピック精神を伝え、市民にスポーツに対する関心をもってもらいたい」と目を輝かせます。

重量挙げという豪快な競技を選んだ許選手ですが、実は非常に繊細かつナイーブな性格の持ち主で、以前は自分の印象や考え方が他人の目にどう映るか気になって気持ちが揺らぐといったこともあったといいます。しかし、自分に良い印象を持つ人もいれば、快く思わない人も必ず存在するということを理解し、声援をパワーの源にした上で批判も謙虚に受け止め、それでも納得が行かない場合は気にしなければいいと思えるようになったそうです。


台北ユニバ広報大使として市民に声援呼びかけ

2度の五輪で金メダルを獲得した許淑浄選手は、台北市で今年開催されるユニバーシアードを次の目標に定め、立ち止まることなくトレーニングを続けています。

五輪で金メダルを獲得した彼女にとって台北ユニバへの挑戦はきっと易しいだろうと感じるかも知れません。しかし許選手は「実は五輪よりもメダル獲得が難しい国際大会は数多く存在する」と語ります。例えば、五輪の女子重量挙げに出場できるのは1カ国最大4人、各階級で最大2人に制限されます。このため各国のチームは選手の実力を考慮した上で、どの階級でメダル獲得の可能性が高いかを判断します。仮に重量挙げの強い国が許選手が出場する53キロ級以外の階級に4選手を派遣した場合、彼女にとってはライバルが減るため、優勝の確率が高くなります。しかし、こういった人数制限がない他の国際大会は実力の高い選手が全員出場できるため、当然、競争も激しくなるのです。

また許選手は台北ユニバの広報大使に任命されており、選手として競技で実力を発揮し、台湾に栄光をもたらしたいと望むほか、今回の大会に出場する世界各国の選手に台北市はスポーツに深い理解を持つ、世界水準の都市だと感じてもらいたいと考えています。

日ごろから海外を転戦する許選手は、自分が最も慣れ親しんだ場所で行われる今回の大会は気持ちがずいぶん楽だと語ります。また外国での試合に出場した際、多くの観衆が会場に詰めかけ、自国の選手に声援を送る姿を見てきた許選手は、広報大使という立場から、台湾選手が各国のライバルとの対戦でより力を発揮できるよう、会場を満席にして応援してほしいと呼びかけています。


2011年

● 深圳ユニバーシアード:銀(スナッチ・92キロ、ジャーク・115キロ)

パリ・ウエイトリフティング世界選手権:スナッチ・銅(93キロ)

2012年

● ロンドン五輪・女子53キロ級:金(スナッチ・96キロ、ジャーク・123キロ、当初、金メダルを獲得した選手に薬物違反が発覚し、IWFが2016年に許選手の繰り上げ優勝を正式発表)

2014年

● 仁川アジア大会・女子53キロ級:金(スナッチ・101キロ、ジャーク・132キロ)

2015年

● ヒューストン・ウエイトリフティング世界選手権・女子53キロ級:金(スナッチ・96キロ、ジャーク・125キロ)

2016年

● リオ五輪・女子53キロ級:金(スナッチ・100キロ、ジャーク・112キロ)

 
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