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2014/12/25 第130期 訂閱/退訂看歷史報份DiscoveTaipei
現代によみがえった古典籍の装丁技術∼龍鱗裝
 
現代によみがえった古典籍の装丁技術∼龍鱗裝
【原定於12/25發報,但因故延後一日,不便之處敬請見諒】

2013年11月、台北市は申請ファイルに非常に優れたデザインを用いたことによって2016ワールド・デザイン・キャピタル(WDC)の誘致に成功しました。その申請ファイルは龍鱗裝と呼ばれる珍しい古代の装丁仕様で作られました。中国において、書籍の装丁は、単なる製本の手法ではなく、一種の美術工芸と考えられています。古く多面的な歴史を持つ装丁は、中国文化のひとつといえます。

中国書籍の装丁の歴史

紀元前1700年頃の殷の時代には、まだ紙は発明されていませんでしたが、当時使われていた、現存最古とされる漢字が刻まれた文物が発見されています。甲骨文字と呼ばれるこの漢字は、亀甲や獣骨に文字が刻まれたもので、占いに使われていました。その後、竹が文字を書き記す素材として使われ始めました。竹は平らではないため、細長く割った板の表面に一行ずつ文字が書かれ、長い文章の場合は多くの板を紐で綴じて巻きました。それは丈夫で防水性のある書籍になりました。紀元前5世紀頃のものが現存最古とされています。

紙が発明されたのは紀元105年、蔡倫が桑の樹皮、靱皮繊維、漁網、麻を原料に作り出しました。中国を中心にアジアにも造紙技術が伝わり、中国文化に大きな変革をもたらしました。紙が普及するにつれ、装丁の必要性が必然的に生じました。

書籍の最も古典的な形は巻子裝(巻子本)です。巻子本は壁にかけられる掛け軸から発展した装丁の形で、絵や書が描かれた紙に布を貼リ合わせて巻き、平らな机の上でも開けるようにしたものです。現存最古の印刷書籍とされる、甘肅省敦煌石窟で発見された、紀元868年の「金剛般若波羅蜜経」の写本は、長さ5メートルにも及ぶ巻子本です。

長い年月の中で、巻子本の扱いにくさを回避する装丁の形が生み出されました。はじめに誕生したのは經摺裝(折本)です。アコーディオン装とも呼ばれる仕様で、本紙の部分がアコーディオンのように交互に折り畳まれ、両端の木製の板で挟むようにしました。これにより任意のページをすぐに開くことができるようになりました。

蝴蝶裝は巻子本の形を抜け出した装丁仕様です。用紙を半分に折り、折り目の部分を重ねていく方法で、開くと用紙がチョウの羽のように見えることから、この名が付けられました。また、ページを上下に開く装丁の推棚裝も生まれました。利便性に優れた蝴蝶裝は、宋(960∼1279)の時代に一般的な製本形態として用いられました。

中国書籍製本の発展は、線裝で成熟期を迎えます。明(1368∼1644)の時代には、制作技術の向上によって宣紙がよりきめ細かくなり、多色の印刷も可能になりました。用紙は白糸で束ねられ、シルクを貼った硬い紙でカバーが作られました。通常、線裝の書籍は木箱に入れられ、シルクのカバーがかけられていました。洋装本が好まれる現代において、線裝はあまり見られなくなりましたが、伝統的な巻子本や折本と合わせ、その技術は近代に伝えられています。

長い間忘れられていた芸術∼龍鱗裝

龍鱗裝は中国書籍の装丁の歴史において、特別な存在といえます。それは龍鱗裝が、巻子本から線装へ発展する過程の形であり、唐(618∼907)の時代の中後期に多く用いられた後、使われることはなかったからです。しかし、例が稀少であるため、龍鱗裝は神秘のオーラを纏い続け、何世紀にも渡って学者たちが調査を続けてきました。

「旋風裝」の名でも知られる龍鱗裝は、基本的な概念は巻子本と変わりませんが、一番長い用紙が下、一番短い用紙が上になるように用紙を重ねて巻物の縁に貼り付けたものです。巻子本のように巻くことができ、線裝本のように、任意の箇所を開けることができます。

しかし、開く際に用紙が自然と捲れあがってしまうため、完璧とはいえない形でした。それでも、書籍自体の美しさは見事で、用紙の表面が龍の鱗のように見えることから、この名前が付けられました。伝統的な巻子本のように巻いて紐で縛ると、優雅な美しさが感じられます。

現存するもっとも最近の龍鱗装の書籍は、およそ千年前に王仁煦が書いた書籍を夫人と書家の吳彩鸞が書き写したものです。現代では、2010年に北京の佑吉齋の若い職人、張曉棟が、千年の時を経て龍鱗装の書籍を作り、さらに張曉棟は北京郊外の西山に登り、自身の仏教の師に二冊目の作品を贈っています。

龍鱗装を実際に見てみたいなら、国立故宮博物院に時々展示されているので、唐の時代の匠の創意をその目で確かめてみてください。

2016ワールド・デザイン・キャピタルの申請ファイルとして誕生した台湾の龍鱗装

台北市が2016ワールド・デザイン・キャピタルの誘致に成功するポイントとなったのは、五巻から成る申請ファイルを龍鱗装の形で提出したことでした。台湾のデザイナー、陳俊良は5つのファイルで台湾人の創造力と緻密さを表しました。龍麟装によって中国の装丁文化の歴史を想起させるとともに、世界に向けて、昔と現在の中国工芸のワザと美を示したのです。

古代の装丁仕様を再現するためには、熟練したプロの技術が不可欠でした。そこで陳俊良は古画修復、装丁、額縁の達人、莊建俊に協力をあおぎました。莊は多くの技術に精通する、この道30年以上の専門家です。莊によれば古美術関連の多くの技術は、教育現場ではなく、制作現場で師から弟子へと伝えられています。

莊のアトリエ、太古齋は信義路にあり、23年前に開業して以来、世界各地の中国古美術のコレクターの依頼に応えてきました。また莊は、この間に数えきれないほどの弟子を育て、弟子たちは独立し、自身で伝統芸術専門の店を持つまでになっています。

古代の龍鱗書を再現するのは、簡単な作業ではありません。「本にもインターネットにも龍鱗装の作り方は載っていませんでした。知識として作り方を知る人はいても、実際の作り方を知る人はいない。だから時間をかけて、素材や技術を調査し、細部にわたるまで注意深く研究しなければなりませんでした」と莊は語ります。

ワールド・デザイン・キャピタルの審査員に評価され得るファイルに仕上げるため、莊は古代の装丁方法に工夫を加えました。捲れ上がりやすい宣紙の欠点を回避するため、特製の感熱紙を使用し、用紙の大きさを統一して隣り合う用紙のふちを貼り合わせました。特製の感熱紙は繊維が縦に流れ、強くてやわらかいのが特徴です。

用紙は三層のシルクの巻物に貼り付けられました。巻物に使われるのりには、竜脳、乳香などのさまざまな漢方薬が含まれています。これらの漢方薬には、防虫作用があり紙の耐久性を高めるのだそうです。また、巻物の軸先と留め具には、花蓮縣附近の東海岸産の黒翡翠を採用しました。

5つのファイルの表紙にはそれぞれ、故宮博物院の美術品、書家董陽孜の作品、誠品書店の空間設計図、ジミーのイラスト、台北の都市景観という台湾を代表するアーティストやコンテンツの図柄が貼り付けられました。完成した龍鱗装仕様のファイルは、黒翡翠のスライド蓋がついた竹製の精巧な木箱に入れられました。箱を開けたときの美しさは、まさに宝物のようです。

2016ワールド・デザイン・キャピタルの台北の申請ファイルは、台北のトップデザイナーと職人の努力の結晶です。そして、莊の機知と専門的な知識がなければ、龍鱗装が再び注目を集めることはなく、台北市が誘致に成功することもなかったに違いありません。

2016ワールド・デザイン・キャピタル

http://www.taipeidesign.org.tw

2016ワールド・デザイン・キャピタル申請ビデオ:

www.youtube.com/watch?v=QNkVeVi3XQU

 
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