年末が近づくにつれ、イベントやパーティーが多くなってきます。本号では、友人同士の集まりや、イベントの後で軽く食べたい時などにおすすめの、夜遅くまで営業している「深夜食堂」4軒を紹介します。どの店でも独特の味わいが楽しめます。

沖縄の豊かな食文化を満喫∼喀佈貍私宅居酒洋食堂

喀佈貍私宅居酒洋食堂は、臨江街夜市近くの香格里拉台北遠東國際大飯店（シャングリ・ラ ファーイースタンプラザホテル台北）のすぐそばにある沖縄料理の居酒屋で、海外からの観光客がよくここで一杯飲みながら夜を過ごしています。木製の窓枠やこいのぼり、招き猫のランタン、酒樽、日本の広告ポスター、浴衣姿のスタッフなど、店全体が日本の雰囲気をかもしていて、まるで日本にいるような気分になります。

店のおすすめは、新鮮な素材のうまみを閉じ込めた焼き物料理です。さっぱりとして甘みのあるタレや、濃厚な味わいのタレを使った串焼き、鉄板焼き、海鮮焼きなど、どれもキリッと冷えたビールによく合います。こってり系なら、明太子ソース、韓国風スパイシーソースなどのバリエーションがある鶏の唐揚げや、外はカリカリ、中はふっくらの焼きおにぎりなどは、後引くおいしさです。看板メニューの「沖繩山苦瓜炒豆腐」はゴーヤ、ヘチマ、豆腐、スパム、卵白を一緒に炒めたもので、かつおぶしが散らしてあります。シャキシャキとした食感であっさりとした味わいです。

日本風一夜干し料理に舌鼓∼滿儎屋台料理

師大路の路地にある滿儎屋台料理は、「一夜干し」の専門店です。一夜干しは、北海道の郷土料理で、細やかな下処理を必要とします。店長は毎朝早く、基隆の魚市場へ行き、一夜干しに良さそうな魚を厳選しています。食材はきれいに処理し、重量に合わせた濃度の塩水に浸けた後、まるごと吊るして風にあてて乾かします。風干しで身が締まった一夜干しは、軽く塩胡椒をふって焼けば完成です。店のおすすめは「秋刀魚一夜干」。皮はパリッと香ばしく、身は弾力があり脂がのって、ほのかに塩の香りが漂います。また、焼き物、海鮮物、鍋物など、酒のつまみもバラエティ豊か。中でも「雞軟骨肉丸」は一風変わったメニューで、鶏のむね肉ともも肉、軟骨を粘り気が出るまで細かく叩いて丸め、低温でじっくり揚げてから煮込んだものです。肉団子が盛られた鉄板には卵がついていて、食べる時に割って絡めると、より一層味わい深くなります。このほか、新鮮な鶏もも肉を特製のソースで味付けした「照燒雞腿」は、肉がやわらかくジューシーでご飯がすすみます。

レトロな雰囲気の店内には、貴重な日本の商号看板やポスター、日用品、レトロなバイクなど、第二次世界大戦や昭和時代の文物を集めるのが好きな店長のコレクションが並べられています。これらのコレクションはディスプレイとしてだけでなく、こぢんまりとした店内をレトロなムードで満たすのに一役買っています。

昔ながらの祖母の味∼巷子口創意台菜料理食堂

同じく臨江街夜市エリアの安和路附近にある巷子口創意台菜料理食堂は、台湾らしさあふれる雰囲気の店です。店長は台南出身で、故郷の味をより多くの人に伝えられたらと、懐かしい祖母の味に自身の創意を取り入れた料理を提供しています。香煎豬肝、老菜脯蛤仔土雞鍋、火燒蝦といった代表的な台湾料理が数多くあるほか、祝いの席の伝統的な宴会料理をアレンジしたコースメニューもあるので、台湾料理に興味がある外国人にはもってこいです。

店長のおすすめは、アイデア料理の「海麻糬」。新鮮なイカに特製の唐揚げ粉をまぶして揚げたもので、ぷりぷりの食感です。サバの唐揚げに揚げたショウガの千切りをたっぷりのせた「千絲舞花飛」は、両者の異なる食感がおもしろい一品。口に入れたとたん、独特の甘みと香りが広がります。看板メニューの「蓉五」は、辛みのないシシトウと豚バラを炒め、豆豉とニンニクで味付けした、南部の代表的な家庭料理です。これにカリッと揚げたエシャロットとラード、特製醤油ソースを混ぜた「豬油拌飯」を合わせて食べれば、その懐かしい味わいに、故郷の思い出がよみがえるようです。このほか、外国人向けにわざと外国人が苦手な食材を集めて作ったという「宮保嚇老外」は、臭豆腐、豬血糕、皮蛋などの台湾ならではの庶民グルメを強火でさっと炒めた創作メニュー。是非チャレンジしてみてください。

夜食にぴったりな純台湾風塩粥∼阿春粥店

一昔前の台湾人の夜食はとても簡単で、余ったご飯でシンプルな塩粥を作って、お腹を満たしていました。延三観光夜市の近くにある「阿春粥店」は、創業60年あまりの塩粥の老舗です。一昔前の台湾人の夜食をアレンジした、肉羹湯で白ご飯を煮たお粥と揚げ物や肉料理などの小皿料理が夜市を散策する旅行客にも好評です。

昔ながらの香菇肉粥は、こだわりのスープが特徴。エシャロット、シイタケを炒めて香りを立たせてから、米、キャベツ、タケノコ、スペアリブを加えて煮、最後に肉羹を加えています。ご飯は一粒一粒の食感がしっかりと感じられ、口の中に優しい甘みが広がります。種類の多い小皿料理は、炸豆腐、炸蝦捲、炸甜不辣などの揚げ物が中心で、コーンスターチとさつまいも粉で作った衣がサクサクのきつね色に揚がり、素材本来のうまみや香りが閉じ込められています。注文を受けてから作る人気のメニューです。また紅燒肉は、豚肉スライスを紅糟（酒かすの一種）、酒、砂糖、豆腐乳に漬け込んでから揚げていて、同じく人気の看板メニューです。

2015臺北最HIGH新年城跨年晚會（2015台北年越しカウントダウンイベント）は、「しあわせの台北、楽しい街」をテーマに、12月31日夜7時から翌1時にかけて、台北市政府前の市民廣場で開催されます。人気アーティストや芸能人が出演するほか、バンド演奏も行われ、観客への最高の新年の贈り物になります。また、注目すべき台北101の花火も見られます。見応え十分なカウントダウンイベントの後は、仲のいい友人同士や家族と「深夜食堂」で身も心も温まるグルメを堪能し、新年を迎えましょう。

喀佈貍私宅居酒洋食堂

住所：樂利路11巷8号

電話：(02)2737-2843

営業時間：18:00~02:00

滿儎屋台料理

住所：師大路92巷46号

電話：(02)3365-1567

営業時間：18:00~02:00

巷子口創意台菜料理食堂

住所：安和路2段35巷1号

電話：(02)2708-2589

営業時間：18:00~02:00

阿春粥店

住所：延平北路3段65-1号

電話：(02)2595-8783

営業時間：18:00~04:30

2015台北年越しカウントダウンイベント

開催日時：2014年12月31日 19:00∼2015年1月1日 01:00

会場：台北市政府前市民廣場（市府路1号）

電話：1999（台北市外からは02-27208889）

http://www.taipei.gov.tw