文/廖雅琴 写真/高讃賢
食べた瞬間ふと誰かを思い出し、懐かしの時代にタイムスリップ、そんなメニューはありませんか。
今回ご紹介する「紅焼獅子頭」(台湾風肉団子の醤油煮込み)は、手間暇はかかりますが、味付けは極シンプルに肉のうまみを活かしたメニューです。白菜と一緒に煮込んだ肉団子は、ご飯との相性がぴったりです。
台湾風肉団子の醤油煮込みは、教育畑から台北市の研究発展考核委員会主任委員に転向された陳銘薫氏が、亡きお義母さまから直伝された伝統料理紅焼獅子頭です。お子さんが成長され、お仕事も忙しくなった現在、台所にはなかなか立てなくても外食先で見かけるとつい頼んでみるそう。でもやはりお義母さまの味が一番だとか!
ご家庭ではこのメニューをお正月料理の一つとしている陳氏、作るのは年に一度ですが、材料や手順はすっかり頭に入っているそうです。おいしさの秘訣は耳なしの食パン。挽肉と混ぜることで、揚げると外はサクサク、中はふんわり、食パン入りとはわかりません。
材料も盛り付けも至って簡単です。陳氏のシンプルな伝統メニューは、家族の心をほっこり温めます。
「紅焼獅子頭」レシピ
材料:
豚ひき肉450g、食パン(耳なし)2 枚、すりおろし生姜適量、ねぎ(みじん切り)適量、卵白1 個、塩小さじ2、油大さじ2(炒め用)、醤油、酒、ゴマ油、白コショウ各少々、片栗粉小さじ8
手順:
1. 肉から片栗粉までの材料を均等に混ぜ、ねばりが出てくるまで捏ねる。
2. 手順1 の材料を、こぶし大の団子に丸め、空気を抜いた後、油を中火で熱した鍋に入れる。時々肉を転がし、黄金色になったら取り出して油を切る。
※生地の空気が抜けると、ぎっしり詰まった団子になる。
3. 2 で使った揚げ油大さじ1~2 を鍋に敷き強火で熱した後、葱と白菜を入れる。少し炒めた後、水1 カップと醤油を加え再び炒める。手順2 で揚げた肉団子を加え、弱火で10 ~ 20 分煮込めば出来上がり。